あくまで天使です。
猛然と走るバイクに振り落とされないようにしっかりとソウの広い背中にしがみつく。
後ろを振り向く余裕はもうなかったが、今にもあいつらが追いかけてくるんじゃないかという不安でいっぱいだった。
前を走るマナブが余裕で振り返り、何事か叫んできた。
私は聞き取れなかったが、ソウはしっかりと聞き取ったようですぐに前輪を回し、ガクとは違う方向を目指しだした。
一応バラバラに逃げようということかな?と解釈したが、何分しがみついてるだけで精いっぱいなのでしっかりは考えられなかった。
私のお願いは天に通じたらしく誰も追っては来てなかった。