あくまで天使です。
第一章~悪魔、降臨する~
地に刺さったコスプレ男
「………」
「おい。きいてんのか?」
私の目の前のどこもかしこも黒だらけの男は、上から見下した言い方をした。闇にまぎれて白い顔が浮かんでいる。
彼の唯一といっていいほど白い翼はコンクリートの地面に突き刺さっている。象牙色の頬を一生懸命赤くして、引き抜こうとしている姿がいじらしくて可愛いというか。
「てめぇのちっせぇ目ん玉の横についてんのはドアノブかぁ?」
いやでもこれはないない。
顔は確かに一流モデル並みだけども!でもこんなコスプレしてる変態にときめいてちゃ駄目だよ私の純情。純白の翅さえなければ百点満点オーバーなんだけどなぁ………
「人の話をききやがれっ!」
男がぶちぎれたように声を荒げた。