あくまで天使です。
ばっさり話の腰を折った恋敵に、少々苛立ちのこもったまなざしを向ける。
べリアルは、可笑しそうに床に向かって嘲笑をこぼした。
しばらく笑い、ゆっくり顔を上げた。
ないがしろにされた憤怒か?と樹はいくつかの言い返しを決めていたが、上がってきた端整な顔色に言葉を飲み込んだ。
憤怒でもなく、皮肉でもなく、無ですらなく
どこか沈痛な、底にたまった沈殿のごとく重い孤独な微笑だった。
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