あくまで天使です。
だから焦った。
これでは優梨子の願いは叶わなくなる。
さらに溝は深まってしまった。今度はこちらから休戦を申し込む気はない。あんたが裏切ったんだ。
そんなの自分のわがままでしかなかったと考えても。
「………だからってこういうことしていいわけじゃないよ」
私の愚痴めいたものに、千秋は大名さまにするあれみたいにお辞儀をした。
「すみませんでした!私………とんでもないこと」
「先輩!ちーちゃんを責めないであげてください!私が元凶なんです!」
千秋を弁護するように、優梨子は前に立ちふさがり大きく腕を広げた。