あくまで天使です。
「はい。今日は部活休みねナギサ」
「は?何でよ?」
鞄にめったに使用しない教科書をしまいこんでいると、月緋がそう言ってきた。
月緋は小首をちょこんとかしげ、眼をぱちぱちしている。
「今日は私、用事があるの。兄さんの新しい新居の下見についていくことになってて。貴方に部活を任せるぐらいならいっそ休みにしたほうがいいかと思ってね」
「え?何気に罵倒?」
「そういうことだから。たまにはとっとと帰ってべリアルさんとイチャついてなさい」
「そういう関係じゃないし!」
私の言葉を華麗にスルーし、月緋は踵を返して足早に教室を出て行った。