あくまで天使です。
無事高校も卒業し、部活の後輩たちに大いに泣かれ、そして大盛り上がりの送別会を行ってもらい帰り道は月が満ちていた。
はっちゃけすぎてくたくたの身体を無理やり動かし、手元のケータイを眺めつつ帰路を歩む。
私は近いうちに名の知れた企業へ入ることになっている。
父親にそう伝えると、電話越しに号泣された。仏壇の母も微笑んでいるように見えた。
珍しく月緋も素直にめでたがってくれた。あの気まずくなった樹君にもだ。
だが、足りない。
優しくほめてくれるのもいいが、やはり罵倒に近いあの声が聞きたい。
あれ私Mじゃね?