カエルと魔女の花嫁探し
(ヤバい、キラに逃げられちゃう)

 どう誤魔化そうかとセレネーが考えていると、

「まあ、まあまあまあまあ!」

 キラが瞳の輝きをさらに強め、自らカエルに近づき、地面へ伏せるような形で顔を近づけた。

「こんなきれいなカエル、初めて見ました。それに顔もどこか品があってカワイイ。この子、魔女様のペットですか? 羨ましいなあ」

 ……この娘、かなり変わってるわ。
 想像を上回る反応に戸惑いつつも、セレネーの心が明るくなる。

(妙な娘だけれど、王子の呪いを解くには好都合ね)

 浮かれそうになりながら、セレネーは平静を装って微笑んだ。

「実はアタシちょっと急用があって、カエルを森へ置いていこうと思ってたところなのよ。でも、カラスやヘビに食べられないか心配で……よかったら、しばらくこの子を預かっていてくれるかしら?」

 こちらの提案に躊躇どころか、キラは勢いよく頭を上げ、「ぜひやらせて下さい!」と頬を紅潮させながら了解してくれた。
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