カエルと魔女の花嫁探し
南の国に到着すると、セレネーは毎度のごとく水晶球を手にして、呪いを解いてくれそうな乙女の居場所を尋ねる。
「クリスタルよ、この国でカエルにキスしてくれそうで、自分の家族よりも伴侶を選んでくれて、王子の中身を愛してくれる気立てのいい娘を教えておくれ」
セレネーが囁きかけると……水晶球は今までにない金色の光を放つ。
そこへ映し出されたのは、街の中央にたたずむ修道院。
そして、どこか小さな部屋の一室にある祭壇で、祈りを捧げる修道女だった。
いつまでも祈り続ける彼女の横顔は、鼻筋の通った美しい輪郭をしている。
絹のような銀糸の長い髪は輝きを放ち、肌も透き通るように白く、その清楚な外観からは気品が溢れ出ていた。
どう見てもそこらにいる村娘とは空気が違う。
不思議そうにセレネーが水晶球を眺めていると、カエルが「あっ」と声を上げ、肩へよじ登ってきた。
「もしやこの方は、フレデリカ姫! なぜこのような所に……?」
「あら、王子の知り合い?」
「はい。カエルになる前、ぜひ私の妃にして欲しいと南の国から姫の肖像画が贈られたのですが、その絵に瓜二つです」
他人の空似じゃないかしら? でも、世の中にこんな絶世の美女が二人もいるとは思えないし――。
半信半疑であったが、会って話をすれば分かる。セレネーはホウキを修道院へ向けた。
「クリスタルよ、この国でカエルにキスしてくれそうで、自分の家族よりも伴侶を選んでくれて、王子の中身を愛してくれる気立てのいい娘を教えておくれ」
セレネーが囁きかけると……水晶球は今までにない金色の光を放つ。
そこへ映し出されたのは、街の中央にたたずむ修道院。
そして、どこか小さな部屋の一室にある祭壇で、祈りを捧げる修道女だった。
いつまでも祈り続ける彼女の横顔は、鼻筋の通った美しい輪郭をしている。
絹のような銀糸の長い髪は輝きを放ち、肌も透き通るように白く、その清楚な外観からは気品が溢れ出ていた。
どう見てもそこらにいる村娘とは空気が違う。
不思議そうにセレネーが水晶球を眺めていると、カエルが「あっ」と声を上げ、肩へよじ登ってきた。
「もしやこの方は、フレデリカ姫! なぜこのような所に……?」
「あら、王子の知り合い?」
「はい。カエルになる前、ぜひ私の妃にして欲しいと南の国から姫の肖像画が贈られたのですが、その絵に瓜二つです」
他人の空似じゃないかしら? でも、世の中にこんな絶世の美女が二人もいるとは思えないし――。
半信半疑であったが、会って話をすれば分かる。セレネーはホウキを修道院へ向けた。