ワールド
「ったく…危ないだろーが!何してんだよ!おちたらどうなっ…って…」
「すいません。もう何回も落ちてますからッ!」
そう言った少女はよく見ると傷だらけだった。
「心配ありがとうございます。あ、私、二宮 優 と申します。」
そういうと優は人懐っこく微笑んだ。
その笑顔にドキッとした自分が居たことに少し怒れた。
こんな女の子にドキッなんて…。
「…あ、俺は井野上 真。」
「真…真君?あ、でも、先輩ですよね?じゃあ真先輩で。…でももう話なんてしませんよね」
『話なんてしませんよね』そういった優は少し悲しそうな顔をした気がした。
「まァ…同じ高校だし、また話すだろ。俺に聞きたいことあったら、いつでも聞きに来いよ。あ、メールアドレス教えてやるよ。」
「えっ…でも…あ、ありがとうございます」
「うん。はい、これ」
手早く書くと、優にメアドを書いた紙を渡す。
あいにく携帯が禁止の学校なため持ってきてなかったのだ。
「じゃあ、いつかメールしますっ」
いつかて…お前…。
「あぁ。うん。あ、一緒に学校まで行くか?」
「いいですか?一緒学校行って。」
「??あぁ。いいけど」
「じゃあお言葉に甘えちゃいますね。先輩」
そういうとまた優しく微笑む。
あぁ…ダメダメ。その笑顔反則だ。
「ッ……。」
「あれ?どうした?」
優は歩き始めたかと思えば、急にとまった。