あなたと同じ空の下…。
「出ないの?豊先輩だろ?」



「いい。出ない。出れないよ・・・」



私はうつむき、携帯が切れるのを待った。



翔が私の頭を抱き翔の肩に寄せた。


「ごめんな・・・辛い思いさせたな・・」



「ううん・・」



涙が出そうだった。ここで泣けば翔を傷つけてしまう・・・




そう思った。




時間が経つのは早かった。



「もうこんな時間・・帰らなきゃ」



そう言いながら、なかなか体が動かない。



「~♪~♪~♪」



携帯が鳴る。



「お母さんからだ。電話でるね。」



「もしもし?」



「ティナ?どこにいるの?夕飯いらないの?」



もう7時過ぎていた。


「もうすぐ帰る」



「豊くんから電話あったわよ。電話に出ない言ってたけど?」



「うん。後で電話するから、いいよ。じゃーね」



電話を切り、翔を見る。



「帰るか・・」



私は無言でうなずいた。

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