あなたと同じ空の下…。
「話ってなに?」




「…俺。15日に東京に行く事になった…お前の誕生日に」




「あと一週間後か…」




翔の視線が、私の右手を見ていた…




「それ…豊先輩にもらったんだ…一足遅かったな…」




「うん。今日もらった…」




「じゃ…2つも同じ物いらないよな。」




「えっ…?」




「俺、ティナに買ってやりたくてバイトしてたんだ。昨日、指輪を頼んできた。俺とお前の名前入りの指輪。 5日かかるって言ってたから、俺が東京に行く時に渡そうと思ってたんだ」





「…めん。ごめん。ありがとう…翔の指輪がよかった…」




私は溢れてくる涙を止める事ができなく、感情を抑えれなかった…




「なんで…なんでいつも翔は私がしてもらいたい事をしてくれるの?」




「俺は、お前によろこんでもらいたいだけ。
ただそれだけ…」




翔は、泣きじゃくる私を抱きしめてくれた



「ティナ…本当は、離れたくねぇ。お前を連れて行きたい」




「翔…ごめんね。私、翔を傷つけてばかり…」




「ティナ…好きだ…」



翔はそっとキスをし、おでことおでこを重ねる…




「見送り…来てくれる?」




「…わかんない」




「待ってる。10時25分の便だからな」



「仕事だもん…行けないかも」



私は行かないって決めていた



見送りなんていけるわけない、行く資格なんてない…



きっと泣いちゃう…


また翔を心配させちゃう…



だから行かないんだ…


絶対!



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