スターレディ物語
壱星類司社長とは、マンション……わたしは社宅になっているけれど、上の階と下の階で暮らしている。


同棲に近いが、けじめはキチンとしている。


お付き合いは、わたしが会社に入社してから、三ヶ月後に始まって、六月には五年を迎える。


そろそろ、結婚の二文字が出てもおかしくないけれど……。そんな素振りは、全く、ない。


ベタベタしているけれど、なんといっても壱星財閥の御曹司の一人。


遊び、なのかもしれない。


わたし自身、鮮やかな女性ではない。


地味を書いたような女。


壱星財閥に釣り合うはずもない。


だから、もしもと言う時は笑顔で身を引こう。


そんな風に考えているなんて……壱星類司社長は知らない。いつも、無邪気な笑顔を向けてくる。


洋服と髪型を軽く整えて、わたしは地下駐車場に向かった。


駐車場入口の自販機に立ち、カードをタッチパネルに当て、ボタンを押す。


どん、と音がして、身動きができない。


「お疲れ~!結ちゃん」
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