恋バナ!
怜雨、ここまで手を打ってるんだ・・・。

そしてあたしは俯いた。

「はよっ怜雨」

「ごめんね~待たせちゃって」

―そういうこと。

だから勇人遅いんだ?

「怜雨っおはよっ」

「あっ蜜柑おはよー♪」

怜雨はやわらかく笑っていった。
あたしの気持ち、知らないもんね。

「な、お前自転車のんねーの?」

勇人は自分の自転車を指差していった。

そういえば、

怜雨と勇人は自転車通学。
あたしは徒歩通学。
乗せてもらえば遅刻免れじゃ~ん♪

「乗るっ♪」

あたしはそれしか考えずにVサインを出した。
勇人はじゃあ乗って、と自転車の後ろの席を指差す。
そのとき、

「勇人っ!あたしのじゃ駄目かな~
あたしの友達だし?
勇人の後ろじゃ悪いじゃんっ
ねっ♪蜜柑~」

と怜雨が言った。

そっか、怜雨、勇人のこと好きなんだった!
お構いなしに“乗る!”なんていっちゃったじゃん・・・。

「そだねっごめん怜雨っ馬鹿で!」

「何の話だよ」

あたしが謝ると、勇人が首を突っ込んだ。
お前は知らなくていいんだよ~
怜雨は、なんともいえぬ鈍い顔をして、
あたしを自転車に座らせた。
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