アリスと子ヤギ達〜食べ過ぎは…〜[企画・もしアリス]
「う〜ん…。」

と、暫く唸っていた兄狼は、

「わかった…、それぐらいは叶えてやる。」

と、私の腕を離し、背を向けた。

「ありがとう…。」

と、言いながら、私は逃げる態勢を作った。

木の上の子ヤギ達をちらっと見ると、涙目で私を見ていた彼らだが、私の意図に気付き、そっと石の準備を始めた。

よし!!

と、思い、走り出そうと体の向きを反転させた時、
両肩をガッシリと掴まれた。
振り向くと、ほくそ笑む兄狼の顔があった。
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