青い月の夜に


「好きな奴の考えてることはわかるんだよ」




フッと優しい吐息が耳をくすぐる。




「ってか、その話、ムリだから」




「え?」




「そいつとは会えない」




優しく笑ったと思ったら、今度は抑揚のない声で私の提案をバッサリと断った。




「そっか……」




私はそうとしか言えなかった。




少し悲しくて、下唇を噛み締めた。



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