青い月の夜に


浩介さんは私の言葉を真剣に聞いてくれた。




“ハルキが時々わからない”




“いなくなってしまう気がする”




“好きなのに不安になる”




一気に吐き出した私の言葉を全部聞き終えてから、それまで無言だった浩介さんが口を開いた。




「恋をして不安にならない人なんていないよ。人はね恋をすると強くも弱くもなるから」




私の前にオレンジジュースを出した浩介さんは優しい口調で不安を肯定した。




「それに、不安になるのは相手を本当に好きって証拠だよ。恋ってそういうものだから」




そう言った浩介さんの笑顔を見て、少し心が軽くなった。



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