青い月の夜に
本を手に取ろうとして、目の隅にあるものを捉えた。
本棚の一番下の段の端っこに、スケッチブックが立てかけてあった。
心臓が嫌な音を立てる。
それでも、手に取らずにはいられなかった。
スケッチブックを手に取ると掌に嫌な汗がにじむ。
それはどこにでもある、一般的なデザインのスケッチブック。
だから、そうとは限らないのに想像だけが膨らむ。
違うと知りたくて、私は表紙をめくった。
そこに描かれていたのは、紛れも無く類さんの絵だった……。