青い月の夜に
ニヤっと笑って彼は勝ち誇った顔をする。
「やっぱり来た。言った通りだったろ」
「べ、別に、ヒマだったから!あなたが言ったからじゃないんだから……」
彼の横に腰を下ろすと、何だか悔しくて、強がりを言ってしまった。
そんな私を彼は軽く笑うと私の前に人差し指を差し出した。
「俺は賭けに負けたこと無いんだ。それから“あなた”じゃなくて“ハルキ”だ」
自慢げにフフンと笑うと、私に名前を呼ぶのを強要する。
「呼んでみ?ハルキって」
「は、ハルキ……さん?」