青い月の夜に
「な、何するの!?」
バッと頬を押さえて立ち上がった私は彼と距離を取る。
「何って、ご褒美」
赤面する私とは対照的に、しれっとハルキは答える。
「別に減るもんじゃないんだしいいだろ。騒ぐなって」
ポンポンとベンチを叩いて座れとハルキに促され、さっきよりも少し間を開けて座る。
恋愛経験の全く無い私には衝撃の出来事だった。
何事も無かった様に月を眺めるハルキを横目で見て、小さくため息をついた。
「減るよ……」