青い月の夜に


「なあ!」




ハルキの声がエンジン音の後ろに聞こえる。




「なにー?」




グッと切なさを呑みこんで、明るいトーンの声で返す。




久々に大声を出して、喉がヒリヒリする。




「俺、すっげえ幸せだ!」




そう叫んだハルキの言葉に胸が温かくなる。




「私も……」




エンジン音が響く中、私の言葉はハルキに届いただろうか。



< 181 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop