青い月の夜に


ハルキは一直線に海に向かって走る。




両手を広げて、風を体いっぱいに受けながら。




私が砂浜まで来た時にはもう、ハルキは靴を脱ぎ捨てていた。




「冷てぇ!けど気持ちいい」




静かな砂浜にハルキの声が響く。




ジーンズを捲り、足を海水につけたハルキ。




海水を蹴って、子供みたいにはしゃいでいる。




「真子も早く来いよ!」




そして、足を止めてその姿を見ていた私を手招きする。



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