青い月の夜に
「でも私、ピアスホール開いてない……」
針で穴を開けるってことが痛そうで、怖くて私はピアスの穴を開けていない。
私は悲しくて俯いた。
しかし、そんな私を見てハルキは優しく笑った。
「知ってる。だからマグネットピアスにした」
そう言って、ハルキは小箱からマグネットピアスを取りだすと私の耳に飾った。
そっと触れると、確かにピアスが着けられている。
「お揃いだからな」
もう一度言ってハルキは笑顔を見せた。