青い月の夜に



殴られるんじゃないかとガクガクと震えながら発した言葉に、彼は吹き出した。




「あはは!ってか、助けたんだけど」




“助けた”




その言葉に私はホッとして体の自由を取り戻す。




そして、慌てて頭を下げた。




「あ、ありがとうございます!!」




それなのに彼はますます笑う。




その端正な顔立ちと笑顔に思わず目を奪われる。




「まあ、移動して話さねえ?こんなとこじゃなんだし」



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