青い月の夜に


「で、でも、決まったわけじゃないし!」




奈菜が両手を振って、慌てて取り繕う。




「うん、そうだよね……」




私は力無く笑うと、涙がこぼれそうになるのを堪えた。




「ごめんね、真子……変なこと言っちゃって」




奈菜も泣きそうな顔になる。




かぶりを振って、大丈夫ということを伝えた。




「電話してみなよ」




私の手を取って、奈菜が力強く言ってくれた。



< 53 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop