青い月の夜に
「だよな。俺、メッチャ優しいから」
振り返って私にジュースを渡すと、自分もコーラを飲みながら横に座る。
「自分で言っちゃいますか……」
私が小さく突っ込むと彼は“なんてな”っと舌を出して見せた。
そのおちゃめな表情に小さく笑ってしまう。
「あ、何笑ってんだよ!俺、面白い事なんか言ってねえよ?」
笑顔で小首を傾げる彼が可愛らしくて、さっき人を殴っていた人には見えなかった。
そして、彼と一緒にいるうちに私の警戒心は消えてしまった。