青い月の夜に


「ね、その2人の写メとか無いの?」




奈菜は興味を持ったようで、私の方へ身を乗り出してくる。




「えっと、無い……ハルキは写真嫌いらしくて……」




ハルキはカメラを向けるといつも顔を背けてしまう。




嫌なことを強要するつもりは無いので、写真は1枚も撮っていない。




類さんはまだ1度しか会っていないし……。




「そっか、なんかミステリアスな彼だね」




奈菜は残念そうに唇を尖らせた。




奈菜の言う通り。




私はハルキをまだ全然知らない……。



< 75 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop