未定
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「今日から、配属になった小原誠だ」
『よろしくお願いします』
朝から騒がしい女社員の目当てが、憎たらしいあの元彼だったなんて。
……そんなの、分かるわけがない。
『よろしく、美和子』
……分かってたら仕事、今日ぐらいは休んでた。
スタスタと近づいて来て、私の名前を妖艶に呼んだ奴。
いくら元彼だとはいえ、まさか、すぐに関わりを持とうとするなんて、考えてもいなかった。
周りの女社員たちがざわめきたつ。
私の平和な社会生活は、少なくとも、今この瞬間、破壊されたのは間違いない。
その時は、それで終わった。
そのまま、関わらなくても良かった。
だけど、入社祝いの飲み会を欠席するのは、それこそ何かあると言ったようなものだ。
やむを得ず、行った先にはあの笑顔。
みんな、なにかしらのいらない気を使って私たちを2人で飲ませようとしていた。