アリス、王子とキスをする!?【企画もしアリス】
「...ん...んーっ...此処は何処?」



まだ眠い目を擦りながら、周りを見渡す。



1番近くに見えたのは、あたしの身体より大きな花弁。



それも1つだけじゃなくて、沢山ある。



な、何これ?



花弁一枚で敷布団になりそうな位大きいんだけど!?



否、もう敷布団になってるんだけど!?



唖然としていると、お婆さんの声が聞こえてきた。



「わぁー、可愛い子じゃのう。親指ぐらいの大きさの愛らしい子じゃのう。そうだ、親指姫とでも名付けよう」



お婆さんは童話の親指姫の本を見ながら棒読みする。



否、正確には親指姫の本のセリフを棒読みしているのだろう。



「お婆さん、本読んでないで、此処何処か教えてよ」



あたしの声を聞いて、お婆さんは此方を見る。



「本を読んでいた訳ではないぞ。今、此処で起こっている事を言っただけじゃ」



意味の分からない事を言うお婆さん。



あのー、頭イカれちゃいましたか?



と、言いたいが、黙っておくとしよう。



初対面にそれは酷いしね。



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