双子の兄弟
悪夢
時刻は22時18分。
兄さんの部屋は暗く、窓から刺す月の光が綺麗だ。
シーンと静まり返ったこの部屋の空気は重く、時計の針の音しか聞こえない。
僕は兄さんを殺す。
どちらかが生き、どちらかが死ぬ。
お互いが命を賭けた戦いだ。
負けられない戦い。
僕は絶対に勝つんだ。兄さんを殺すまでは絶対に死ねないのだから―――。
22時20分になった。
ショータイムの幕開けだ。
遠慮はいらない。
僕の人生を狂わせた兄さんを殺す。
コロシテヤル――。