双子の兄弟
ガチャ…。
ドアを開ける音がしたのと同時に悲鳴が部屋に響き渡った。
血の海と化したこの部屋を見ながらブルブルと震えていたのは――――。
外出中だった母さんだった。
その悲鳴を聞いて飛んできた父さんは口をぽかんと開けて立っている。
「れ…れい…冷斗…?」
母さんは震えた声で僕の方を見る。
「母さん、おかえり…」
僕は床に倒れたまま震える母さんにそう言った。
「いやぁぁあぁぁ!!」
母さんはまた悲鳴を上げて誰かに助けを求めるために携帯電話を持った。
ダメだ…。
僕はそう思って母さんが握っていた携帯電話を奪った。