双子の兄弟
「僕は兄さんを殺しただけだよ…?」
僕は激痛が走る身体を無理矢理起こして2人にそう言った。
「し……信じら…れない……!!あなた…が…冷太を…!?」
母さんは今以上に身体を震わせて怯えていた。
父さんもただただ黙り込んでいた。
そして母さんが床に転がった携帯電話を素早く取って必死にボタンを押した。
「冷斗…!お願い…!一緒に警察に行きましょう!……あなただって怪我してるじゃない…!」
「母さん……やめて…なんで僕が警察なんかに…」
僕は母さんから携帯を奪おうとしたが、刺された所が痛くて身体に力が入らなかった。
「あなたは犯罪を……犯罪を犯したのよ…!?冷斗…!」
母さんが僕の名前を言った時、僕は自然と身体が動いた。
気づいた時には母さんを―――――。
バットで殴り殺していた……。