小さな恋のうた *毎日更新中*
『ありがとう。これから1年間、36人で力を合わせて、楽しいクラスを作っていこうな』


教師になって2年。


初めて受け持つ自分のクラス。


きっと、大樹や茂たち野球部員を中心にまとまっていくんだろう。


楽しいクラスになりそうだ。


『よし、じゃあ、一人ずつ自己紹介をしてもらおうかな。いつも出席番号の早い順だとかわいそうだから、一番出席番号の早い茂と遅い和田でじゃんけんして負けた方から男子女子男子女子…の順で。よーし、じゃんけん』


茂の負け。


結局、出席番号の早い順だ。


『茂から。名前と何か好きなものかハマってるものと何か一言あれば』


「えぇ~、先生からだろ?名前しか言ってねぇし」


確かに。


『じゃあ…改めて、進藤守、今年25歳で、野球部の副顧問をしています。好きなものは…ここにいるみんなとでも言っておこうかな』


「つまんねぇっ!!」


「モバゲーだろ、モバゲーっ!!」


野球部から予想通りのヤジが飛ぶ。


『モバゲーはいいぞ、モバゲーは。ハマリすぎると勉強の邪魔になるから、気分転換にちょっとだけやるようにな』


「はーい、しつもーんっ!!」


『何だ?』


「彼女はいるんですか?」


茂のヤロー…。


『いません』


「いつからですか?」


あとでシメてやる。


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