小さな恋のうた *毎日更新中*
『最近、フラれました。人生いろいろ。でも、全部、いつか、いい勉強させてもらったと思える日が来るとオレは信じてるから。おまえらも、これから失恋したりいろいろあるだろうけど、一人前になるためのレッスンと思うといい。ま、何かあったときは、いくらでも相談に乗るしな』


生徒と近い教師でありたい。


嘘や建前を言わず。


一人の人間として生徒と接したい。


尊敬する先生がそうであったように。


指笛の音が聞こえる。


「進藤っ!!」チャチャチャっ!!


「進藤っ!!」チャチャチャっ!!


“ありがとう”の意味を込めて、両手を挙げる。


『はいはい、ありがとう。でも、静かに。じゃあ、茂、自己紹介いっとこうか』


茂が立って後ろを向く。


「植木茂。野球部でキャッチャーをしています。好きなものは今のところ野球で、彼女ができたら彼女が一番になると思います。大切にしますので、誰か彼女になってください。以上」


茂らしい自己紹介に野球部が騒ぐ。


指笛にハイタッチの嵐。


「イエーイっ!!」


『誰か、心優しい女子がいたらいいな』


「何だよ、それ?」


『はい、次、じゃあ、女子の一番…』


茂の突っ込みを無視して進める。


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