小さな恋のうた *毎日更新中*
『次は…大樹か』


中盤に差し掛かった頃、大樹の順番が回ってきた。


大樹が席を立った瞬間、野球部が騒いだ。


両手を挙げて大樹が応える。


『長友大樹、野球部でピッチャーをしています。好きなものは…』


大樹が間を置いた。


まさか?


言うのか?


大樹の隣で早川が大樹を見上げている。


『今は言えないけど、ま、そのうち分かると思います』


「え~っ!!」


「言えよっ!!」


『うるせっ!!そのうちだよ、そのうち』


野球部の突っ込みを交わし、大樹が続ける。


『あと、今年も野球部の応援よろしくっ!!以上っ!!』


今までで一番大きな拍手。


さすが大樹だ。


早川も遠慮がちに大樹に向かって拍手している。


悪くない。


大樹の隣で笑っている早川の姿も。


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