魔王と王女の物語
「チビ、おいチービってば。起きろよ」
――ラスがゆっくり瞳を開けると、早速魔王が瞼や耳や頬…あちこちに唇を押し付けてきて、
ぐい、と頬を押して遠ざけると起き上がり、とあるものがすぐ近くに大量に置いてあって首を傾げた。
「これなに?」
「お前昨日リスにパンをやったろ?それのお礼らしいぜ」
――ラスが寝ていたすぐ隣には、大量の木の実や真っ赤な果実が沢山あって、瞳を真ん丸にしながら果実をひとつ手に取る。
「リスさんがこれをくれたの?嬉しい!全然気づかなかった…」
「お前爆睡してたもんな。いびきがうるさくってさあ、眠れなかったし」
「う、嘘!いびきなんかかかないもん!ねえティアラ、起きて、あのね、すごいんだよ、リスさんがねっ」
まだ布団を被っているティアラの隣に潜り込むと身体をくすぐって覚醒させる。
ティアラの隣に座って一睡もしなかったリロイは、朝から元気いっぱいのラスを愛しげな視線で撫でて…
魔王に怒られた。
「小僧!俺の天使ちゃんをエロい目で見んじゃねえよ!ぶっ飛ばすぞ!」
「み、見てない!ラス、おはよ。よく眠れた?」
「おはよ。よく眠れたよ、コーがずっと抱っこしてくれてたから」
「…そう、よかったね」
そう言って腰を上げて森の奥へ行こうとしたので、ラスが呼び止めた。
「どこに行くの?」
「この奥に泉があるからそこで顔を洗ってくるよ」
「うん、わかった」
魔王はまだ寝そべったまま欠伸をしていて、ラスはようやく起きたティアラの口に赤い果実を押し込んだ。
「ん、美味しい!これどうしたの?」
「あのね、リスさんが…」
説明下手なラスが一生懸命状況をティアラに話している間…
魔王はいくつか木の実を手にして握りしめると…手品のように木の実が消失した。
「いくつかは毒の実だったし、魔物は魔物だな」
鼻歌を唄いながら起き上がり、指を鳴らすと消えかけたたき火の炎が再び勢いよく燃え上がり、べたべたしているラスとティアラを見てぼそり。
「いいなー、俺も挟まれたいなー」
「コーもおいで」
意味違いにまたくつくつ。
――ラスがゆっくり瞳を開けると、早速魔王が瞼や耳や頬…あちこちに唇を押し付けてきて、
ぐい、と頬を押して遠ざけると起き上がり、とあるものがすぐ近くに大量に置いてあって首を傾げた。
「これなに?」
「お前昨日リスにパンをやったろ?それのお礼らしいぜ」
――ラスが寝ていたすぐ隣には、大量の木の実や真っ赤な果実が沢山あって、瞳を真ん丸にしながら果実をひとつ手に取る。
「リスさんがこれをくれたの?嬉しい!全然気づかなかった…」
「お前爆睡してたもんな。いびきがうるさくってさあ、眠れなかったし」
「う、嘘!いびきなんかかかないもん!ねえティアラ、起きて、あのね、すごいんだよ、リスさんがねっ」
まだ布団を被っているティアラの隣に潜り込むと身体をくすぐって覚醒させる。
ティアラの隣に座って一睡もしなかったリロイは、朝から元気いっぱいのラスを愛しげな視線で撫でて…
魔王に怒られた。
「小僧!俺の天使ちゃんをエロい目で見んじゃねえよ!ぶっ飛ばすぞ!」
「み、見てない!ラス、おはよ。よく眠れた?」
「おはよ。よく眠れたよ、コーがずっと抱っこしてくれてたから」
「…そう、よかったね」
そう言って腰を上げて森の奥へ行こうとしたので、ラスが呼び止めた。
「どこに行くの?」
「この奥に泉があるからそこで顔を洗ってくるよ」
「うん、わかった」
魔王はまだ寝そべったまま欠伸をしていて、ラスはようやく起きたティアラの口に赤い果実を押し込んだ。
「ん、美味しい!これどうしたの?」
「あのね、リスさんが…」
説明下手なラスが一生懸命状況をティアラに話している間…
魔王はいくつか木の実を手にして握りしめると…手品のように木の実が消失した。
「いくつかは毒の実だったし、魔物は魔物だな」
鼻歌を唄いながら起き上がり、指を鳴らすと消えかけたたき火の炎が再び勢いよく燃え上がり、べたべたしているラスとティアラを見てぼそり。
「いいなー、俺も挟まれたいなー」
「コーもおいで」
意味違いにまたくつくつ。