魔王と王女の物語
リロイが白馬に騎乗しようとすると、ティアラがローブを翻して際に乗り込み、目を白黒させた。
「ティアラ王女?」
「一緒に乗らせて下さい。外の空気を吸いたいんです」
本当はラスと魔王を2人きりにさせたくなかったのだが、ひらりとティアラの後ろに騎乗すると手綱を握った。
――馬車の中では窓から時々見える魔王の城をラスが眺めていて、2人きりになった時に聴こうと思っていたことを口にした。
「ねえ、コーは今幾つなの?」
「えーと、300歳位かな」
「え?30歳じゃなくって?」
「おいチビ、俺はそんなに老けて見えるか?不死の魔法を使った時が26位だったな」
腰を抱かれて引き寄せられると狭い馬車の中でコハクに押し倒され、耳に何度もキスをされて何も考えられなくなりそうになって、胸を押した。
「私にも…魔法をかけるの?私も死ななくなるの?」
「…いやか?俺はチビだけが老いていくなんていやだ。それくらいなら小僧の魔法剣を奪って胸に刺して死んだ方がましだ」
「やだ…やめてよコー…!私、ずっとコーと居たいの。どうしたらいいの?」
「チビに任せるよ。自分で考えろ」
――時々こうして自分自身で考えさせようとすることがあり、
ラスは必死に頭をフル回転させたが、結局答えが出せずにコハクの首に腕を回すとぎゅっと抱き寄せた。
「王国に戻ったっていいんだぜ。時々遊びに行ってやるよ。俺の愛がチビに届かなかった時は、潔く諦めて他の女で満足するさ」
「っ!やだって言ってるでしょ!?変なこと言わないで!う、コーの、馬鹿ぁ…っ」
コハクが自分から離れて、いつも自分にしているようなことを他の女にしている想像に耐えられずにラスが泣き出してしまうと、コハクは、真面目な顔で再度問うた。
「俺が妖精の森で行った言葉…覚えてるか?」
「…うん、忘れるわけないよ」
「本当は滅茶苦茶にしてぼろきれみたいにしてやろうと思ってた。でも無理だった。チビはいつも俺のことを庇ってくれた。…俺はチビが好きだ。…愛してる」
――何度でも言ってやる。
ラス…お前が俺を選ぶか拒絶するか…
それまでは、何度も何度も――
「ティアラ王女?」
「一緒に乗らせて下さい。外の空気を吸いたいんです」
本当はラスと魔王を2人きりにさせたくなかったのだが、ひらりとティアラの後ろに騎乗すると手綱を握った。
――馬車の中では窓から時々見える魔王の城をラスが眺めていて、2人きりになった時に聴こうと思っていたことを口にした。
「ねえ、コーは今幾つなの?」
「えーと、300歳位かな」
「え?30歳じゃなくって?」
「おいチビ、俺はそんなに老けて見えるか?不死の魔法を使った時が26位だったな」
腰を抱かれて引き寄せられると狭い馬車の中でコハクに押し倒され、耳に何度もキスをされて何も考えられなくなりそうになって、胸を押した。
「私にも…魔法をかけるの?私も死ななくなるの?」
「…いやか?俺はチビだけが老いていくなんていやだ。それくらいなら小僧の魔法剣を奪って胸に刺して死んだ方がましだ」
「やだ…やめてよコー…!私、ずっとコーと居たいの。どうしたらいいの?」
「チビに任せるよ。自分で考えろ」
――時々こうして自分自身で考えさせようとすることがあり、
ラスは必死に頭をフル回転させたが、結局答えが出せずにコハクの首に腕を回すとぎゅっと抱き寄せた。
「王国に戻ったっていいんだぜ。時々遊びに行ってやるよ。俺の愛がチビに届かなかった時は、潔く諦めて他の女で満足するさ」
「っ!やだって言ってるでしょ!?変なこと言わないで!う、コーの、馬鹿ぁ…っ」
コハクが自分から離れて、いつも自分にしているようなことを他の女にしている想像に耐えられずにラスが泣き出してしまうと、コハクは、真面目な顔で再度問うた。
「俺が妖精の森で行った言葉…覚えてるか?」
「…うん、忘れるわけないよ」
「本当は滅茶苦茶にしてぼろきれみたいにしてやろうと思ってた。でも無理だった。チビはいつも俺のことを庇ってくれた。…俺はチビが好きだ。…愛してる」
――何度でも言ってやる。
ラス…お前が俺を選ぶか拒絶するか…
それまでは、何度も何度も――