魔王と王女の物語
5年後…
成長したコハクは背も180㎝を越えてすっかり男らしくなった。
声変りも終えて、低くて色気があり、元々整っていた顔はさらに整って、
ただ成長するにつれ意地の悪さが顔によく出ていた。
「そろそろ薬が無くなってきたんじゃないか?俺が材料摂ってきてやるよ」
「そう?助かるわ、ありがとう」
――あれからずっと2人暮らし。
ローズマリーはコハクを村へ連れて行くこともなく、またコハクも“行きたい”とは言わなかった。
もう教わることもほとんどなく、残すは四精霊の試練のみとなっていて、
最近もっぱら興味があるのは…ローズマリーのこと。
「…なに?いやらしい目で見ないで欲しいわね」
「見てねえし。あんたこそ欲求が溜まってんじゃねえのか?」
「馬鹿を言わないで。あなたは全然私のタイプじゃないのよ」
「…聞いたことなかったけど、好きな男でも居るのか?」
ストレートに質問をぶつけてみると、穏やかに下がったブルーの瞳がさらに下がって小さく笑われた。
「ふふ、私は不死だから、人を好きになったりはしないの。…悲しいだけだもの」
「そっか。俺もあんたより先に死ぬもんな。看取ってくれるんだろ?」
「…早く摂ってきて。その間に他の材料を調合しておくわ」
何だかはぐらかされたような気がしたが、薬の材料として使っている薬草は水晶の森にのみ生えている特別なもので、
ぶつぶつ文句を言いながら大量の薬草を持ち帰り、1階にローズマリーの姿が無かったので2階へ上がってみると…
「どうしたんだ!?」
床には大量に吐血した痕――
その傍らで胸を押さえてうずくまっているローズマリーの顔色は真っ白で、
慌てて抱き上げるとベッドに寝かせて、部屋を飛び出すと1包だけ残っていた薬を手に駆けあがり、
意識を失っているローズマリーが飲めるように薬を自分の口に入れて水を流し込むと…
ローズマリーに唇を重ねて、無理矢理流し込んだ。
「目ぇ覚めたか?!横になってろって」
を患っているローズマリー。
傍に居て助けられるのは、自分しか居ない。
それが嬉しかった。
成長したコハクは背も180㎝を越えてすっかり男らしくなった。
声変りも終えて、低くて色気があり、元々整っていた顔はさらに整って、
ただ成長するにつれ意地の悪さが顔によく出ていた。
「そろそろ薬が無くなってきたんじゃないか?俺が材料摂ってきてやるよ」
「そう?助かるわ、ありがとう」
――あれからずっと2人暮らし。
ローズマリーはコハクを村へ連れて行くこともなく、またコハクも“行きたい”とは言わなかった。
もう教わることもほとんどなく、残すは四精霊の試練のみとなっていて、
最近もっぱら興味があるのは…ローズマリーのこと。
「…なに?いやらしい目で見ないで欲しいわね」
「見てねえし。あんたこそ欲求が溜まってんじゃねえのか?」
「馬鹿を言わないで。あなたは全然私のタイプじゃないのよ」
「…聞いたことなかったけど、好きな男でも居るのか?」
ストレートに質問をぶつけてみると、穏やかに下がったブルーの瞳がさらに下がって小さく笑われた。
「ふふ、私は不死だから、人を好きになったりはしないの。…悲しいだけだもの」
「そっか。俺もあんたより先に死ぬもんな。看取ってくれるんだろ?」
「…早く摂ってきて。その間に他の材料を調合しておくわ」
何だかはぐらかされたような気がしたが、薬の材料として使っている薬草は水晶の森にのみ生えている特別なもので、
ぶつぶつ文句を言いながら大量の薬草を持ち帰り、1階にローズマリーの姿が無かったので2階へ上がってみると…
「どうしたんだ!?」
床には大量に吐血した痕――
その傍らで胸を押さえてうずくまっているローズマリーの顔色は真っ白で、
慌てて抱き上げるとベッドに寝かせて、部屋を飛び出すと1包だけ残っていた薬を手に駆けあがり、
意識を失っているローズマリーが飲めるように薬を自分の口に入れて水を流し込むと…
ローズマリーに唇を重ねて、無理矢理流し込んだ。
「目ぇ覚めたか?!横になってろって」
を患っているローズマリー。
傍に居て助けられるのは、自分しか居ない。
それが嬉しかった。