魔王と王女の物語
フィリアとオーフェンが待つ玉座の間に入り、
ラスはフィリアの傍らにある上座の椅子へ座り、リロイは段差のある上座の下で片膝をついて座り、
コハクは…腕を組んだぞんざいな態度でラスの背後に立っていた。
「近くで見るともっとボイーンってしてる…」
「?ラス王女?」
ゆったりとした白いローブ姿の上からもその“爆乳”っぷりが分かるほどに盛り上がっていて、密かにラスがため息をついた。
「で、カイ王からラス王女が到着したら今夜は我が城へ泊まらせて頂きたいとの親書を受け取っています」
「わ、嬉しい!ありがとうございます!」
背後に立つコハクと、膝をついているリロイに無邪気に笑いかけて嬉しがるラスの様子にフィリアが瞳を細めた。
「カイもそんな無邪気な所がありました。壮絶な旅だったのに…。あなたは本当によく似ているわ」
「で、お前は傷心のまま“誰でもいい”ってなって、オーフェンに嫁いだのか?まさかこうなるとはな」
「!影!失礼なことを言うな!」
ぷいっと視線を逸らして謝る気のない態度を全開にすると、ラスがコハクを振り仰いだ。
「?なんのお話?」
「あのさあ、フィリアはさあ、カイのことがさあ」
「それ以上喋るとあなたの口が無くなりますよ」
膝に横向きに置いていた杖の先が光り、降参するようにコハクが両手を挙げる。
「女のヒステリーはいやだねえ」
「…ラス王女に会わせたい者が居るのですが」
「え?はい。誰だろ…?」
オーフェンがにやにや笑うコハクを睨みつつ、両手を打ち鳴らした。
「入っておいで」
「…はい」
――すぐ傍の、王族の私室につながっている扉が開き、そこから姿を現したのは…
「ティアラと申します。ラス王女、はじめまして」
「あ…、はじめまして。えと…」
「この子は私たちの娘。そして白魔法の使い手です。どうか旅に同行させて頂きたい」
「え」
フィリアとうりふたつの容姿。
真っ直ぐで艶やかな黒髪と切れ長の黒瞳。
背は150㎝のラスより小さく、可愛らしかった。
コハクがにやりと笑った。
ラスはフィリアの傍らにある上座の椅子へ座り、リロイは段差のある上座の下で片膝をついて座り、
コハクは…腕を組んだぞんざいな態度でラスの背後に立っていた。
「近くで見るともっとボイーンってしてる…」
「?ラス王女?」
ゆったりとした白いローブ姿の上からもその“爆乳”っぷりが分かるほどに盛り上がっていて、密かにラスがため息をついた。
「で、カイ王からラス王女が到着したら今夜は我が城へ泊まらせて頂きたいとの親書を受け取っています」
「わ、嬉しい!ありがとうございます!」
背後に立つコハクと、膝をついているリロイに無邪気に笑いかけて嬉しがるラスの様子にフィリアが瞳を細めた。
「カイもそんな無邪気な所がありました。壮絶な旅だったのに…。あなたは本当によく似ているわ」
「で、お前は傷心のまま“誰でもいい”ってなって、オーフェンに嫁いだのか?まさかこうなるとはな」
「!影!失礼なことを言うな!」
ぷいっと視線を逸らして謝る気のない態度を全開にすると、ラスがコハクを振り仰いだ。
「?なんのお話?」
「あのさあ、フィリアはさあ、カイのことがさあ」
「それ以上喋るとあなたの口が無くなりますよ」
膝に横向きに置いていた杖の先が光り、降参するようにコハクが両手を挙げる。
「女のヒステリーはいやだねえ」
「…ラス王女に会わせたい者が居るのですが」
「え?はい。誰だろ…?」
オーフェンがにやにや笑うコハクを睨みつつ、両手を打ち鳴らした。
「入っておいで」
「…はい」
――すぐ傍の、王族の私室につながっている扉が開き、そこから姿を現したのは…
「ティアラと申します。ラス王女、はじめまして」
「あ…、はじめまして。えと…」
「この子は私たちの娘。そして白魔法の使い手です。どうか旅に同行させて頂きたい」
「え」
フィリアとうりふたつの容姿。
真っ直ぐで艶やかな黒髪と切れ長の黒瞳。
背は150㎝のラスより小さく、可愛らしかった。
コハクがにやりと笑った。