お姫様だっこ



全てを話した。



鉄の気持ちに感動して泣いてしまった事。




一人で泣くつもりが智也が追いかけてきて抱きしめられてしまった事。



「わかったかな?ごめんね。あたしが隙を作ってたからいけなかったんだよね。本当にごめんね。あたしが馬鹿なの…」







「おまえ…智也に告られたろ?」




いきなり言われて驚いた…



でも隠すべきじゃないから



「うん」


正直に頷いた。





「はぁっ…。」



研の大きな溜め息…。



やっぱり呆れたのかな。




「ちょっとコッチ来い」


「えっ?」



黙って突っ立ってたら



「来いって」



もう一度言われて恐る恐る研の傍に行った。



唇が震えだした。



怖かった。




いよいよ捨てられるんじゃないかって。





もしかしたら殴られたりするのかなって…




有り得ない話だけど。






でも、いっそ殴られたほうがいいかも…とか色々考えてたら



涙が溢れてて…




唇噛み締めて研に近寄った。




そして―――――







信じられなかった。







「どう…して…?」




あたしは思わずこう言ってた。
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