お姫様だっこ



泣きじゃくりながら聞いた。




研は照れくさそうに答えた。



「お前じゃないとダメだな。改めて気づかされたよ。しかもお前本当に何も無かったんだろ?」


「え…信じてくれるの?」



「最初っから信じてるっつぅーの…」



えーーー!?






「じゃぁ何であたしを無視したりしたの?」



「意地悪してやった」



「うっそーっっ!」




もう訳わかんない…




「まぁ…確かに最初は何かあんのかって不安になったりもしたよ。お前が何も言わない態度とか見てな。これは一回突き放そうと思って…俺だって辛かったよ?」




研は寂しそうな顔になった。




「まじでこのままお前が離れて智也とくっついたらって。考えるだけでイラついたよ。お前が見てる前では無視してたけど遠くでズット見てたんだぞ?お前バカだから気づいてないけどなぁ」



そうだったんだぁ…



「わかんないよ。分かるわけないじゃん!あたしはズット研を見てたのに…」


「知ってるよ」



はい?



「拓も言ってたしな。゙美優ちゃん研のことズーッと見つめてるぞ゙って。あんまりイジメんなよってな」



「えっ?拓はあたしを軽蔑してるんじゃないの?」



研はハハッて笑った。
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