お姫様だっこ




「ほんと智也はイイ奴なんだ。許してやってくれる?」




「しゃぁねぇから許すよ。これ以上何かしてくるなら殴るけどな。美優にとって智也は大事な友達なんだよな?」




あたしは大きく頷いた。




「友達!!」




研に言い聞かせるかのように゙友達゙を強調して言った。




「わかってるよ。ちゃんと告白断ったんだよな?」




あたしの必死さに研はクスクス笑った。



「なんでわかるの?」




「お節介おばさんが昨日何度も電話してくっから渋々出てみたらそう言われた。゙智也の事フッたんだよ!美優は研しかいないの!バカバカバカァー!!ってな」




「お節介おばさんって…菜帆のこと?」



思わず吹き出してしまった。




「正解♪あの泣き虫おばさん、超うるさくない?」



「菜帆を悪く言っちゃダメぇー」



研の頬をギューッてつねった。
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