お姫様だっこ
「研、なんで?」
「んー?」
「あたしの事…好きじゃなくなったんでしょ?梨央…ちゃんのほうが大事なんでしょ?」
「えっ?」
あたしは素直じゃないなぁ…
研は呆れたようにハァ…と溜め息をつきながら言った。
「おまえバカだな。やっぱり」
「なによぅ!バカじゃないもん!」
「いぃや、バカだ。俺がお前を好きじゃなくなるなんてあり得ないからな。そんな事も分かんねぇなんてバカだ」
「…へっ?」
あたしは呆然としていた。
研は梨央に騙されてるんじゃないの?
訳が分からず固まってるあたしに研は悲しそうな表情で話し始めた。
「俺さ…梨央に騙されてた」
「えっ…」
「美優が慎を気に入ってるって。2人でコソコソ会ってるって言われて…お前と慎が2人で楽しくしてるの見せられてさ。確かに慎との仲はドンドン深くなってるっぽかったし。慎なら好きになってもおかしくないかなと…。美優が幸せになるのなら俺は諦めるべきかなって考えた。暫く離れて考えてたよ。梨央と居たら、もしかしたら楽しいかもしれないって」
あたしの心臓はもう限界かもしれない。
ドキドキが止まらない。
研の出した答えは何なの……?
「でも…ダメだったんだよ。美優じゃねぇと全然楽しくねぇし笑えてなかった」
ほんとに……?
「それでな、さっき梨央と会ってたんだけど」
あたし見てたよ‥
「ハッキリ言ってきた。梨央じゃダメって。俺は美優じゃないとダメだって。そしたらアイツ怒り出してさ。興奮して全部喋っちゃってんの。慎と手を組んでたって。実はな、梨央と慎で俺らを騙してたんだよ」
あたしは研の目を見つめた。
「知ってるよ?」
「はっ?」
研が驚いてる。