お姫様だっこ




「卒業生退場!!」



卒業式を終えたあたし達3年生は盛大な拍手に見送られて退場する。




教室に戻ると最後のホームルーム。



タマちゃんと過ごせる時間も残りわずか。




「みんなと過ごせた時間を俺は一生大切にしていく」




一言いうとタマちゃんは涙ぐんで喋れなくなった。



ほんとにいい先生だ。



タマちゃんにお礼を言って写真を撮りまくって教室をあとにした。




外に出ると後輩や先生達が待ち受けていた。




「美優ちゃーん!」



声だけでスグわかる。



「慎!」




あれ?慎の目、赤くない?



「俺…ちょっと泣いちゃいました」



ぺろっと舌を出して笑う慎。



アンタやっぱり可愛いよ。憎めないよ。





「慎。あたし、慎に出会えて良かったよ。ありがとね!!」



笑顔を作るつもりが泣き顔を作ってしまった。



「美優ちゃん最高です」




慎。ほんとにありがとう。







あたし達はこの学校を去っていく。



思い出のたくさん詰まった場所。



ここで研と出会って恋をして…




苦しい事、楽しい事いっぱいあった。




最後にはこうして笑顔でいられる。






本当に幸せな3年間でした。
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