お姫様だっこ
バイト
「いらっしゃいませー」
はぁ…っ。
あたしは今、バイト中。
もうすぐ研来るのかな?
まじ緊張!!!
ってか本当に来るの?
入り口のドアが開く度にドキッとする。
またドアが開く。
「いらっしゃぃま……!!!」
「あ、美優みっけぇ♪」
き、きたぁー!!
「ほんとに来たんだ?」
「おう。約束は守るぞ俺」
「美優ちゃんだ!!やっぱ間近で見ると益々かわいいなっ♪」
ん?この人誰?
研と一緒に来てる人。
見た目、チャラ男。
肌が黒くて長い髪。
顔はかっこいいけれど、あたしのタイプではないな。
「ねぇ〜、一緒にコーヒー飲もぉよっ♪」
「おぃ、拓!辞めろよ。馴れ馴れしくすんな。美優は仕事中だろ」
「はいはい」
拓っていうんだ。
研と拓はおとなしくテーブル席に着く。
あたしはメニューを差し出した。
すると、拓がニヤつきながらあたしを見てきた。
「研さぁー、最近は美優ちゃんの話ばっかすんのよー」
「ばか!余計な事喋んな!!!」
えっ?
「俺〜カフェラテねぇ♪」
拓が研を無視して注文してきた。
「お、おれはブラックコーヒー!」
「おぃ研、かっこつけんなってぇ。」
研が拓を睨みつけてる。
拓はお調子者らしい。
「お前黙れ。黙れねぇんなら帰れ」
拓がおとなしくなった。
なんかこの2人、笑えるんですけど♪
息が合ってる感じ。
オーダーを聞いたあたしはコーヒーを作りにカウンターに戻る。