お姫様だっこ



「美優……。話してくれてありがとう。辛かったんだね。」


菜帆が抱きしめてくれた。


そして、研が口を開いた。



「なにが恥ずかしい?何も恥ずかしい事はないよ?美優は頑張ってんだ。家庭の状況は人それぞれだ。幸せな人もいればそうじゃない人もいる」


「そうだね…」



「独りで抱え込むのは辛いだろう?俺らは美優の家庭環境を変えるのは無理だ。でも、話聞いたり元気分けてあげたり、美優が辛い時にそばにいる事は出来る!!恥ずかしいと思うな。何があろうと俺達は美優の味方だ」

研の力強い、愛のこもった言葉が心にしみた…。

「そうだよ。俺もいる」

「菜帆もいるよ!?」


研も菜帆も俊も大好き。


あたしの為に必死になってくれる。



どうしてもっと早く話さなかったんだろう。


恥ずかしいなんて考え捨てれば良かった。


もっと菜帆を信頼すれば良かった。


こんなに涙流してくれる親友をもっと信じれば良かったんだね。
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