お姫様だっこ
「菜帆ー」
「んー?」
菜帆とあたしは手を繋いで歩いてた。
そろそろ帰る時間。
研と俊は少し前を2人で歩いてる。
あたしと菜帆が2人で話せるように距離置いてくれたんだ。
優しい2人。
「ごめんね」
「えー?」
「あたしさ、菜帆に心配ばっかかけちゃって。菜帆泣かせてばっかだ」
菜帆は笑顔であたしを見た。
「いいんだよ?ちゃんと最後には話してくれたから」
昨日の夜、菜帆に電話で全部話した。菜帆は泣きながら聞いてくれた。
「美優の辛さを考えたら何も言えないよ。そんな簡単に話せるような問題じゃないもんね?ごめんね、菜帆なんもわかんなくて…」
「菜帆、謝んないで」
「ううん、謝らせて?美優の親友として力不足だって思うの。でもこれからは菜帆の出来る事なんでもするからね?頼りないけど何でも言ってね?ゆっくりでもいいから。話せる事なんでも聞くから。美優の苦しみを少しでも取り除いてあげたい」
「……菜帆、ありがとう。一生、親友でいてくれる?こんな素敵な友達…菜帆が初めてよ。菜帆はあたしの1番の友達!!」
菜帆がまた泣いてた。
綺麗な涙…。
笑いながら涙流してた。
「菜帆と美優は永遠に親友ーー!!!」
手を繋いだまま2人でジャンプして空を見上げた。
綺麗なオレンジ色―。
夕焼けが綺麗。
「研ー!!」
「俊ー!!」
あたしは研に、菜帆は俊に、走り寄って思いっきり抱きついた。
この幸せがずぅーっと続きますように……。
お願いします。