愛されたかった悪女
「あ!あそこのパテだけは置いてきて、お勧めできない」


ジョンもジョークで切り返してくれる。


私は笑みを浮かべながら、ジョンのアパートメントを出た。


ジョンから離れると、私の顔に張り付いていた笑みが消えた。


言われた通りに1ブロック行った所の角にデリカテッセンがあった。


店の中で食べていた男女が私に気づいたらしい。


それでも、何も言わず近寄っても来ない。


それが、心地いい。


私はお店を買い占めるかのように、食べ物を注文した。


もちろんジョンに言われたものはすべて買った。


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