愛されたかった悪女
「僕たちのベビーちゃんが大丈夫ならかまわないよ」


そっと膨らんだ腹部にジョンは手のひらをあてた。


「うん。大丈夫だって言ってるね」


ジョンがにっこり微笑む。


「ええ。私たちのベビーちゃんも見たいって言ってるわ」




翌日の午後、私はゆったりとしたスカイブルーのドレスを着た。


ゆったりとした生地で膨らみは目立たない。


足元には、昔の自分ではありえないローヒール。


「用意は出来た?」


カジュアルだけど高級感のあるスーツを着たジョンがドアから顔を覗かせた。


「ええ。今行くわ」


久しぶりの外出に気分が浮き立った。



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