愛されたかった悪女
薄い生地のデザイナーズドレスのジッパー音。


するっと、身体を滑り足元にドレスの塊が出来る。


私はあられもない姿でハヤトの前に立った。


感じやすい耳朶に舌が這わせながら、痛いくらい張り詰めた胸の頂も指で愛撫され、甘い吐息が漏れてしまう。


「はぁ……ん」


「さすがにきれいな身体だ」


「私だけが裸だなんて……ハヤトも早く脱いで、ううん 私が脱がしてあげる」


ほどけかけたダークレッドのタイに指をかけ外し、床へ落とす。


高級なシルクを使ったシャツのボタンを、もどかしく外して脱がすと、私は息を呑んだ。


なんて素敵な身体なの メンズモデルにも負けないくらいのスタイル。


着やせするタイプで、脱ぐときれいに付いた筋肉にうっとりと指を滑らす。


私を惹きつけてやまない端正な顔。


何もかもが好みの男。


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