愛されたかった悪女
パパラッチに見つからないよう、慎重に彼と付き合った。


彼らに見つからないようにするには簡単だ。


食事に行くときはグループで出かけ、同じアパートメントだから見つかることはなかった。




ハヤトと出会って4年目に突然、彼の口から別れ話が出た。


30歳になったら親の決めた女性と結婚する約束だと言う。


私は前から結婚など興味ないし、子供も産みたくないと言っていた。


ハヤトもこの関係を楽しんでいてくれると思っていた。


別れ話を切り出された私は心とは裏腹に「良いわよ その人とお幸せにね」と言っていた。


本当は別れたくなかった。


簡単に別れようとするハヤトに腹を立て、意固地になっていた。



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